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監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影

巨大IT企業の元幹部たちが、インターネットが私たちにどのような影響を及ぼしているか警告し、巨大IT企業は倫理的にどうすべきかを示すドキュメンタリーです。
ネットの閲覧履歴にしたがって広告が表示されることくらいは一応知っていましたが、この作品には具体的な脅威の事例がたくさん登場し、衝撃を受けました。インターネットを日常的に利用しているすべての人が見るべき映画、といっても過言ではないです。

「監視資本主義」の恐怖その1=人々の思考と行動を金で支配する

あれをやりたい、これを買いたい…と思った時、なぜそう思ったかを思い出してみると、私の場合たいていSNSやWeb、Youtubeで見たのがきっかけです。もしその動機が、誰かがわざと見せたものだったら?彼らは、私の他の色々な行動も制御できるかもしれません。たとえば合法的に投票行動を操る大金持ちがいたらどうなるか。実際、ロシアは国境を越えてトランプ大統領を勝たせました。仮定ではなくもう現実なのです。
SNSや検索サービスをタダで使うとき、私たちは自分の過去や未来を売っていて、それがSNS企業やGoogleの収益なんだということを忘れずにいたいと思います。

「監視資本主義」の恐怖その2=人々を分断する

AIは嫌なものは見せません。見たいものだけを「おすすめ」してクリックさせます。そんな環境にいると右が好きな人は右へ、左は左へと考え方が二極化していきます。これがエスカレートするとどうなるか。インターネットは人の心を操ることで戦争も起こせるのです。このことを知っていればわざと反対の立場の人をフォローしてバランスをとる方法もあります。

「監視資本主義」の恐怖その3=人々を死に追いやる

ロヒンギャ難民の迫害はFacebookフェイクニュースを信じた人々が起こした悲劇でしたし、新型コロナをフェイクとするデマがSNSで広がったアメリカでは感染がさらに拡大しました。
若年層はSNS普及以来、鬱と自殺の率が急激に上がったそうです。たかがネットで死ぬ?と思ってしまいましたが、それはSNSがない子供時代に人格形成できたお陰かも。IT企業の元幹部たちは、自分の子供にはSNSをさせないと断言していました。

「収益モデルを変える」「SNSは高校生から」という2つが、作品内で提示されている解決方法です。閲覧履歴を追跡・保存・利用することに税金を課す、という案もありました。個人的にはスマホの利用時間を制限して、「おすすめ」や広告をクリックしない、トラッキングをしないブラウザや検索エンジンを使用する、といったことをやっていこうと思います。
この映画自体がNetflixのおすすめで上がってきたから見た、という経緯がまた何ともいいがたいですが。